◆「ラダリング法」とは??
ラダリング法は、消費者の選択の背後にある深層的な価値や動機を明らかにするための質的調査手法です。
この手法は消費者が特定の製品やサービスを選ぶ理由を階層的に掘り下げることによって、表面的な特徴からより抽象的な価値に至るまでのつながりを理解することを目的としています。
『階層的価値マップ』を作成することで、製品やサービスに対する深い洞察(製品事実、機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、生活価値観)を視覚的に理解することができます。
以下に、ラダリング法の具体的な手法やステップを詳しく説明します。
◆ラダリング法の手法とステップ
1.調査の準備・ターゲットの設定: 調査対象となる製品やサービス、及びターゲットを明確にします。
・インタビューガイドの作成: 質問の流れや主要なポイントを整理したガイドを作成します。
2. インタビューの実施
ラダリング法は1対1のインタビュー形式で行われます。以下は典型的なインタビューの流れです。
ステップ1: 製品属性の特定 (製品事実)
まず、被験者に特定の製品やサービスの具体的な属性について話してもらいます。
・例: 「なぜこのシャンプーを選んだのですか?」
ステップ2: 属性から利益への移行 (機能的ベネフィット)
次に、その属性がどのような利益をもたらすのかを尋ねます。「それはなぜですか?」という質問を繰り返して、属性と利益の関係を掘り下げます。
・例: 「天然成分が含まれているということは、どのような利点がありますか?」
ステップ3: 利益から価値への移行(情緒的ベネフィット、生活価値観)
その利益がどのような価値や信念に関連しているかをさらに掘り下げます。
・例: 「髪や頭皮に優しいというのは、あなたにとってどのような意味がありますか?」
3. データの分析
インタビューの内容を分析して、『階層的価値マップ(hierarchical Valuee Map』を作成します。
Mapから視覚的に、属性、利益、価値の連鎖(Means-End Chain)を明確にします。これにより、消費者の選択の背後にある深層的な動機が明らかになります。
◆ラダリング法の具体的なインタビュー調査例
以下に具体的な例を示します。
調査対象:オーガニックシャンプー
■インタビューの例
Q1: なぜこのオーガニックシャンプーを選んだのですか?
A1: 「天然成分が含まれているからです。」
Q2: 天然成分が含まれていると、なぜ良いのですか?
A2: 「髪や頭皮に優しいからです。」
Q3: 髪や頭皮に優しいと、どうなりますか?
A3: 「髪が健康に保たれます。」
Q4: 髪が健康に保たれると、どうなりますか?
A4: 「自信を持てます。」
■データ分析の例
生活価値観(Value)は、私たちの生活≒消費行動を規定しています。
生活価値観に合致した商品やサービスを開発すれば、比較的長期間に渡って売れ続ける期待が持てます。
生活価値観に合ったコミュニケーションや広告活動は、消費者の情緒や価値観など内面まで響く可能性が高くなります。
→ 価値(生活価値観)を明確化することが目的となります。
深層心理である『生活価値観』は、持続性が高く、簡単に変わるもではありません。
属性(製品事実): 天然成分が含まれている。
利益(機能的ベネフィット): 髪や頭皮に優しい。
結果(情緒的ベネフィット): 髪が健康に保たれる。
価値(生活価値観): 自信を持てる。
例として『階層的価値マップ』をお見せいたしますと....以下の様になります。
以下の7つの<普遍性の高い『生活価値観』になる>ことが多いと言われています。
※参考文献 https://note.com/researchgogo/n/n9edab94ff41c
【1】accomplishment:達成感/成し遂げたという感覚
【2】belonging:所属すること/自分がどこかに所属しているという感覚
【3】self-fulfillment:自己実現/「私は、自分の能力を最大限発揮して自分のしたいことをしている」という感覚/ 「私はいま自分にぴったりの場所で活躍できている」という感覚
【4】self-esteem:自尊心/自己肯定感
【5】family:家族
【6】satisfaction:満足感
【7】security:安心感
■調査結果の応用例
マーケティング戦略
広告メッセージ: 「オーガニックシャンプーで、髪と頭皮に優しさを。自信を持てる美しい髪を手に入れましょう。」
製品パッケージ: 「天然成分配合。健康な髪へ。」
製品開発
新製品の特徴: 髪や頭皮に優しい新しい成分を追加。
ユーザーエクスペリエンス: 消費者が自信を持てるような効果を実証するデータを提供。
◆ラダリング法の利点と課題
利点:
・深い洞察: 消費者の選択の背後にある深層的な価値や信念を理解することができる。
・戦略的活用: マーケティングや製品開発において、消費者の真のニーズに基づいた意思決定が可能になる。
・差別化: 競合他社との違いを明確にし、差別化戦略を立案するのに役立つ。
課題:
・コストと時間: 個別に深層インタビューを行うため、時間とコストがかかる。
・データの一般化: 個別のインタビューから得られるデータを一般的と捉えるか否かは慎重に検討する必要がある。
◆定性調査職人SARにラダリング法はお任せください。特別なメソッドがあります
SARのラダリング調査は、インターネットの定量調査と簡易デプスインタビュー(個別日記調査による深掘り)を組み合わせて行います。 ◆ラダリング法 イメージ『ザ・プレミアム・モルツ』(例)
『階層的価値マップ』 アウトプットイメージ
◆定量調査後に、定性ラダリング調査で探るべきテーマ(案)
3~5日間という期間内にプロービングを丁寧に繰り返す「ネットデプスインタビュー」であれば・・・ ①「ちょっと贅沢」につながる「味に関する機能ベネフィット」と「ザ・プレミアム・モルツというブランド」がどのように絡んでいるのかをしつこくプロービングすることにより解明を目指す。
②最終的な価値観を3つのグループに分類
「①おいしいビールが飲みたい」
「②プレミアムビールを飲みたい」
「③他のビールは飲みたくない」
『フォトインサイト(個別日記深掘り調査)』を実施し、価値観別のラダーを深く掘り下げます。
③製品事実 → 機能ベネフィット → 情緒ベネフィット →価値観のラダリング構造を探求すると共に、『なぜエビスや他のビールではないのか?』という商品選択の意思決定プロセスを探求する。
④機能ベネフィット「うまい」を他のワードで表現させるプロービングを繰り返すとともに、「幸せを感じる」「自分へのご褒美」などの情緒につながる中間のサムシングを深く掘り下げます。
⑤ザ・プレミアム・モルツを飲むことで得られる「優越感」「幸せ感」「贅沢感」「ご褒美感」などにつながるコンセプトを4~5案提示して、ラダリング構造との整合性を確認する。
※1日目~4日目はラダリングの深堀りとプローブに徹したネット深掘り日記調査
5日目~6日目はコンセプトアクセプタンス+インサイトの解明
という6日間のラダリング定性調査をお薦めいたします。
⑥上位概念(価値観)が『プレミアムビールを飲んでみたい』人達は、「ブランドイメージ」と「うまさ」に直結する”味”に関する機能ベネフィットがどのように関係しているのかを探る。
◆インサイトを深く掘り下げる調査の進め方
先ずは、ネット定量調査で「製品事実」魅力、特徴、特性を尋ねます。
次に、「機能ベネフィツト」重要な特性や機能を尋ねます
最後に、「情緒ベネフィツト」重要な特性や機能にどんな意味を求めているのか?どんな気分なになるのかを尋ねます
◆Webネットラダリング調査(定量)の詳細な設問例
先ずは、「製品事実」魅力、特徴、特性を複数回答と単数回答で尋ねます。 次に、「機能ベネフィツト」重要な特性や機能を自由回答で尋ねます
最後に、「情緒ベネフィツト」重要な特性や機能にどんな意味を求めているのか?どんな気分なになるのかを自由回答で尋ねます
◆ラダリング法 イメージ『ザ・プレミアム・モルツ』(詳細例)
『階層的価値マップ』 アウトプットイメージ
MROCのパイオニアSARは、定性調査職人の集合体です
『フォトインサイト』システムをデザインした匠が調査を設計、
各パートの定性調査職人が調査を実施いたします。
(リモートインタビュー、日記調査、MROC、ハイブリッド調査等)
『定性調査』は定性調査の匠と職人の集まり SARにお任せください!
▼定性調査職人の集合体 SAR
▼経営者に対しリモートインタビューが可能
▼究極のパッケージ評価調査 パッケージの評価と改善策は
パッケージデザイナーに聞くのが一番
▼最もコスパが良い組み合わせ『日記調査⇒対象者絞り込み⇒FGI』はこちらをクリック
▼理系大学生の採用に向けた調査/理系の転職採用インタビュー